卒論のテーマは国際リニアコライダーILC陽電子源の設計

広島大学理学部では、毎年卒業生の中から成績優秀者を選んで表彰しています。2025年度は加速器物理研究室所属の佐々木遥大君が学部長表彰を受けました。学部長表彰は実質的に物理学会の首席卒業にあたります。佐々木君のこれまでの努力を讃えたいと思います。
佐々木君は岩手県出身で、岩手県の北上山地に建設が検討されている国際リニアコライダー計画 ILC(International Linear Collider)についての研究を希望して我が加速器物理研究室に入りました。彼の卒業論文のテーマはこの国際リニアコライダーの重要なコンポーネントである陽電子源の陽電子生成条件の最適化研究です。かれは電子ビームのエネルギーにより実質的に生成される陽電子の効率が変わることを発見し、4GeV以上の電子ビームエネルギーが有利であることを見出しました。この成果は将来建設されるILCの設計に活かされることになります。
佐々木君は2025年4月以降は、同研究室の博士前期課程に在籍し、さらに研究を進める予定です。彼のさらなる活躍に期待しましょう。