ILC夏の合宿で、ILC加速器の概要について講義

恒例のILC夏の合宿が9月21日から24日にかけて、オンラインにて開催された。(23日は休日のため休み)
栗木がILC加速器の概要について、45分の講義を行った。

ILCをはじめとするリニアコライダーは従来の円形の電子・陽電子コライダーとことなる設計思想を持っている。円形コライダーでは、なるべく多くのビームを円形軌道内を周回させ、大量の衝突イベントを得る。うまい方法だが、ビームエネルギーが高くなると円形の軌道を周回させるだけで大量のエネルギー損失を生じるので、エネルギー効率は極端に低下し、最後には加速さえ不可能となる。現実的なエネルギーの上限は重心系エネルギーで200GeV程度だ。

リニアコライダーでは、ビームを生成加速し、直線状の線形加速器で加速したのち、衝突点で一回だけ衝突させる。ビームを再利用しないので、その分、加速されるビームの量は、円形コライダーにくらべて桁違いに小さい。また、線形加速のさいには、エネルギーが零れ落ちることもない。衝突の際のイベントを起こす確率を高めるために、ビームをナノメーターまで小さく絞り、正確に正面衝突させる。小さいビーム電流で大量のイベントを生成するのが特徴である。

Presentation on PREZI

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